ユータロー のブログ(^^)

AI化によって世界は左傾化していくのではないかというお話

はじめに断っておくが、私自身決して共産主義思想の持ち主ではないし、かっこいいと思ったこともない。また経済学部でも、政治学部ないため、それらのことに関しては全くの素人であるし、あくまで、この論は面白い可能性として取ってほしい。

 

 

ご存知の通り、社会主義共産主義は1917年のロシア革命以後、瞬く間に世界中に跋扈し、一時はヨーロッパ中枢までの広がりを見せた。しかし、1991年のソ連の解体を機に、社会主義国家の崩壊が見られ、その後は中国含むほぼ全ての国家で資本主義化が進行した。

 

ではなぜ社会主義共産主義は崩壊したのか。

もともと、近代の社会主義国家が取り入れた社会主義思想はマルクスの考えを元にしている。『共産党宣言』や『資本論』を読めばわかるが、理論としては、論理の飛躍もないし、ロジックだってこれ以上ないまでに強い。しかしながら、このアイデア自体は当時経済的に豊かだったイギリスを基にしており、まだ経済的に成熟していなかったロシアには合わない理論であった。そもそもこの論自体、マルクス大英博物館の中で篭って書いた机上の空論に過ぎず、経験則といった観点で言うと非常に弱い部分があった。

 

そこで、マルクスエンゲルスレーニンと受け継がれた思想をスターリンソ連に合う形に書き加えたのである。

 

しかしながら、当然、財産を共有し、社会の財産になるという考え方だと、国民は自発的にはなかなか動かず、独自産業も発展しにくくなり、経済情勢が深刻化することになる。ロシアは徐々に情報公開や、言論統制を緩めることで状況を改善しようと努めたが、その結果一気に経済的に豊かな資本主義国家への憧れの念が国民の間で伝播し、当時の最高指導者ゴルバチョフソ連を解体せざるを得ない状況に追い込まれることで、社会主義国家は一気に崩壊した。ちなみに加盟国自体が0というだけで実際にはソ連は今尚存続している。(ここについては『存在とは』という哲学にも通ずる分野であるので割愛する)

 

以上、社会主義国家が崩壊した原因を見てみると、財産共有の概念が国民の労働意欲をそぎ落とし、経済的に貧しくなったせいで崩壊したように思われる。またこの考えでいうと、今後も完全な共産主義国家の実現は不可能であるようにも思われる。

 

 

しかしAIやロボットが我々の労働の大部分を担うようになると、この社会主義国家崩壊の根源的原因を排除できるように思われる。いや、それ以上に必然の結果として、世界が左傾化共産主義化)していく可能性もあるのではないかとすら思われるのである。

 

まず、AI化、ロボット化によって今ある多くの仕事は彼らに取って代わるであろうことが推測される。すると労働の多くを彼らがすることになり、人間がする仕事ではなくなる。当然彼らは、ロボットであるので、労働意欲なんてものはなく、ひたすら生産効率を上げるために休まず働き続ける。よって、財産を社会共有のものにするといったことで、国民の労働意欲が落ちたとしても、経済は停滞しない。またここに来て、競争原理があるからこそ成り立つ資本主義に限界が訪れ始める可能性もある。

 

しかし社会全体で見れば、富の追求、金への執着は変わらないはずだ。ただ個人単位で見れば、金を得ることよりも怠けることを選ぶ人が増えるだろう。現代の世界でも生涯年収をあげたければ勉強して、いい大学に入り、多くの資格を取ればいいだけの話である。しかしながらそこには勉強しないものも大勢いるのである。

 

こうして、社会を構成する個人間の差異が小さくなり、平等の概念が強まると、ここで出てくるのが、かつてのソ連プロパガンダ的に国民に浸透させようとした兄弟愛・大家族の考え方である。みんなで手を取って社会福祉を実現しよう。少なくともここに至るのにソ連ほどの論理の飛躍はない。

 

また1920年代の世界恐慌の影響を受けなかったということにも見られるように、社会主義共産主義経済の外的要因に対する保守性は高い。

 

ここで仮に世界各国の国が共産主義に移行した時のシュミレーションを考えてみる。

 

伝統的に王様のいるヨーロッパ諸国や、天皇中心の国家を長らく維持してきた日本などでは、意見伝達や体制移行に関して、トップダウン的構造がある。また歴史も長いだけに利権も確立されている。それだけに社会主義化への移行には途轍もない困難が伴うであろう。ただ島国日本に関してはもともと族意識が強く、兄弟愛・大家族という概念はあっさり受け入れられるのではないか。

 

一方新興国アメリカは、政治経験のないトランプが国のトップにいきなり立ててしまうなど、民意が反映されやすいボトムアップ的構造の国。実際、アメリカでは極左とも呼ばれるバーニーサンダースが力をつけ、2016年の大統領選挙で大きな支持を獲得した。こうした観点で言うと、意外にも国民の意識改革から政治体制が徐々に移行していくのなら、そこまで大きな混乱は起こらないとみる。

 

他方、中国では大きな混乱が起こると推測される。市場が完全資本主義化し、アメリカ経済への対抗意識が並々ならない一党独裁の中国では、政治体制が保守化しているため、最も政治体制以降に時間がかかるであろう。また、社会主義共産主義化によって得られた財産が果たして、公共投資に利用されるかである。今の中国を見ていると怪しい。仮に世界での社会主義化が失敗した場合、ここで一人勝ちを果たす可能性も十分にある。かつての共産主義国家が世界の社会主義化に反発するのが、ここでのミソである。

 

 

果たして現実にそうなった時に生き残れる人種は一体なんなのかである。環境に適応できるものが生き残るという進化論的立場に立つと、政治体制が社会主義に移行した場合、まずはじめにこうなることを予測をしていた人物(ここにはすんなりと政治体制の移行を受け入れて、すぐさま利権を確立できたものも含まれる)や、この理論の前提にあるAIやロボット化の技術を提供する者達、また国を動かす政治家(ここに関しては流石にAIに放り投げるのは考えにくい。レーニンスターリンといった人を熱狂的に惹きつけるカリスマ的超人支配者が、移行初期には必要であろう)。そしてその他、創造性を発揮する芸術家、文筆家など少数ではないか。

 

 

 

以上の過程から、論理の飛躍もなく、ロジックの強い共産主義社会主義は、まだ社会が未熟だったからこそ成立し得なかっただけで、労働の大半をAI・ロボットが担う時代が来ることで、個人の資本に対する考え方が変われば、草の根的に社会主義は実現するのではないかと言う結論に達した。(もちろん細かいとこまで詰めてはいないが)

 

 

 

ただ『始めたときは、それがどれほど 善意から発したことであったとしても、 時が経てば、そうではなくなる。』といったジュリアス・シーザーの名言にもあるように、超人的な支配者が必要とされる計画経済では、指導者の保身や既得権益の確保といったことから、大量虐殺や、民族浄化というおぞましいことにも繋がりやすい。先ほど、政治家は人間が担うであろうと述べたが、こういった意味で、長いスパンで考えたときに、AIが間違った方向に走らないように確実にプログラムできるのであるならば、政治の仕事もAIに丸投げするのも手かもしれない。

 

 

ここまで少し危なっかしいことを書いてきたが、私自身、決して左派ではないし、こういった可能性があるかもしれないということを論じたに過ぎない。AI化による世界の左傾化論は少し突飛だったかもしれないが、少なくともこういったムーヴメントはフリースピーチが盛んなアメリカや、もともと社会主義だったCIS諸国で起こる可能性は十分にある。

 

人間の幸せという観点で見たときには、社会主義よりは資本主義の方が優れていると見るし、行き着く先として、共産主義化はありうるかもしれないが、そうなると後に待つのは文明の退化であろう。AI化の功罪はこういったところにもあるのである。

 

最後はこの言葉で締めくくろう

 

二十歳までに共産主義にかぶれない奴は情熱が足りない。 だが二十歳過ぎてもかぶれてる奴は脳ミソが足りない。

   By イギリス首相ウィンストン・チャーチル